アニオタの先輩がすごい奴かもしれない

摩訶ソサエティ 今日もオタクは最高です! (ワイドKC)

1 名無しさん@おーぷん GK6

アニメに対する見方が変わったわ、あそこまで突き抜ければ得るモノありそう

5 名無しさん@おーぷん ID:ejg

ゲームでもアニメでもとくとんいけば応用効くからななにやるにしても

8 名無しさん@おーぷん GK6

>>5
たしかにそうかも、個人的には学者になってほしいなあアニメ専門の

元スレ(おーぷん2ちゃんねる): http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1437327931/
アニオタの先輩がすごい奴かもしれない

6 名無しさん@おーぷん GK6

なんとなく語っていくか

初めて会ったのは今年4月
高校に入学してすぐの俺は、部活に入りたくなかった。けれど決まりで何かしら部活しなきゃいけなかった
幽霊部活みたいなのねえかなと探していた俺はある部活を見つけた。
不活発部活の代名詞、アニメマンガ研究会だ。

9 名無しさん@おーぷん ID:r7X

先輩が男か女かで評価変わるな

11 名無しさん@おーぷん GK6

>>9
野郎だぞ

10 名無しさん@おーぷん GK6

部室は3階北の一番日当たりの悪いところだった。体験入部に行って寒かったのを覚えている。
部屋をノックすると反応がない。今日休みかと思ったら中から戸が開いた。むっちりしたデブ特有の手だった。
誰?と微妙に不愉快そうな曇った声、ちょっと吃音ぽかった。まるく脂ののった顔をしていていかにもだった。

14 名無しさん@おーぷん ID:lPS

登場人物が不細工そうだと一気に現実味が増す

16 名無しさん@おーぷん GK6

こっちも思わずむっとして、新入生の豚鼻(俺のあだ名)です。体験入部にきました。と言った。
そしたらまるい無愛想な顔がちょっと驚いて、それからちょっとうれしそうな、でも顔に出すのを我慢しているようなそんな顔になった。
入って、と言われてひんやりして湿っぽい部屋に入った。そしてびっくりした。
部屋は壁にびっしり本棚があって、ラノベと漫画がこれまたぎっしり。威圧感さえ感じた。
俺を入れてくれたデブ(先輩と書く)は椅子を用意してくれた。ボロボロの椅子だった。それに座ると早速先輩は「マンガとか読むの?」って聞いてきた。

17 名無しさん@おーぷん ID:MGO

豚鼻があだ名って…

19 名無しさん@おーぷん GK6

>>17
しゃーねーな事実だし

18 名無しさん@おーぷん GK6

俺「そうですねー、ワンピとかブリーチとか」
先輩「王道だねー、ワンピはどこが好き?」
俺「空島です、ダイヤル大好きなんで」
先輩「良いよねーあれ、コニスちゃんがバズーカ使うとこ大好き」

そして先輩はおもむろに立ち上がると本棚からワンピースを抜き出してパラパラとめくって開いた。
これこれ、と見せてきたのはフレイムバズーカ(だったよな?あのガス出してから着火するやつ)のシーン
なにげない感じでやってきたけど俺は後でぞっとした。
先輩は何巻にそのページがあるか分かっていた。

23 名無しさん@おーぷん ID:VDe

好きな漫画ならだいたいの巻数は分かるしページは軽くめくれば分かるだろ

25 名無しさん@おーぷん GK6

>>23
嘘だろ!?できない俺がにわかなのか

27 名無しさん@おーぷん ID:VDe

記憶力の問題じゃね
自分がそこまで興味なかったらそんな強い記憶はしないだろうし

24 名無しさん@おーぷん GK6

で、そのあとしばしワンピースの好きなとこについて語り合った。
先輩は語ると止まらなくなるタイプのようで饒舌にしゃべった。ここまでテンプレアニオタだと逆におかしくなるくらいだった。

先輩「じゃあアニメはあんま見てないのかー」
俺「中学のときとか部活やってて時間が合わなくてー」
先輩「部活かー青春だねー」
俺「これも部活じゃないっすか」
先輩「それもそうか」
俺(何だろうこの濃厚な非リア臭)

先輩「そういやアニメってみるの豚鼻くん?」

28 名無しさん@おーぷん ID:CSA

好きなことを楽しく語れる人っていいよな

30 名無しさん@おーぷん GK6

俺「SAOとかですかねーなんかネットの評判は悪いみたいっすけど」
先輩「まあねー、どこが好き?」
俺「アスナちゃんかわいいっすねー」
先輩「あーなるほどー」
先輩「萌えもいいけどねー、あれ結構面白く見れるんだよー」
俺「そうなんすか?」

先輩「Pohっていたじゃん、あのラフコフのリーダー」
俺「ああ居ましたねー」
先輩「あの人なんか面白いんだよ」
俺「そうなんですか?」
先輩「あの人はねーリアルとネットの狭間に生きてる人なんだ」

32 名無しさん@おーぷん ID:lPS

>>30
アニメ見るのか見ないのかはっきりしろよ鼻豚君!

37 名無しさん@おーぷん GK6

>>32
ぶっちゃけほとんど見ない、先輩のおかげで少しずつ観るようになってきた

36 名無しさん@おーぷん GK6

>>30
俺「え?」
先輩「アインクラッドに閉じ込められちゃった人らってさ、極めてあいまいな場所に生きなきゃいけなくなったわけ」
先輩「ゲームなんだけどリアルの感覚そのまま持ってきちゃってる。現実とゲームの境目が分からなくなってなんたらっての聞いたことあるでしょ?」
先輩「で、大抵の人はどうしたかって言うと、ゲームの世界に完全に適応しちゃうか、ゲームを拒否して初めの街に居残るかとっちかだったわけ」
俺「はあ」

なんか訳が分からんかった。けど情熱的に語る先輩の言葉(相変わらず吃音ぽかった)はなぜか覚えている。

先輩「そこでどっちでもない選択をしたのがPohさんなんだ」
俺「そうなんですか?」
先輩「そうそう、ゲームオーバーしたら死ぬっていう極限のゲームで、あえてPKする、人を殺す」
先輩「それってゲームへの適応でも、ゲームへの拒否反応とも違う反応なんだよ」
俺「ゲームに飲まれたとかじゃないんですか」
先輩「飲まれてるのはむしろ主人公たちだよね、ゲームを受け入れてクリアすることに躍起になってる」
先輩「Pohはそうじゃない。ゲームの中で殺人する、そしてそれは現実の殺人になる」
先輩「彼って殺しながら何を考えてたんだろうね?」

35 名無しさん@おーぷん ID:MGO

SAOは結城あすなと妖精が可愛いな
作品内容は全く知らない

39 名無しさん@おーぷん ID:h6g

こういう奴って何見ても色んな考察できるから羨ましい

42 名無しさん@おーぷん GK6

俺「そういうアニメでしたっけSAO」
先輩「そういう見方をすると面白いんだ、それでね」
先輩「そういう見方でアニメを見てみようかっていうのがこの部活なんだ」

えー…って思った。なんだそりゃそんな難しいこと考えながらアニメ見るのかよと。

先輩「まあもし気に入ってくれたら入って。ダメなら他のとこ入ったほうがいいよ、美術部とか緩いからおすすめ」

そんなことを言ってその日はお開きになった。外はもう真っ暗になっていた。

43 名無しさん@おーぷん ID:MGO

>>42
なんつう部活やw

45 名無しさん@おーぷん ID:X1s

わかる
楽しいよなそういうのな
めっちゃわかるよ
人には言わないけどさ

49 名無しさん@おーぷん GK6

>>43
まあ変な部活だな、俺は楽しんでるけども
>>45
最近楽しさがわかってきた、良いもんだなと思う

47 名無しさん@おーぷん GK6

俺はなやんだ。美術部にも体験入学してみたりした。結論から言うと美術部はダメだった。ゆるいっちゃゆるいけど先輩方がどうにも人を見下したような発言するのが気に食わなかった。
意識高い系ってやつだろうか、あの印象派がどうのロマン派がどうのって言うのが大嫌いだった。

そんなこんなでアニメ・マンガ研究会に俺は入部した。活動計画みたいなのに出席してた連中は、いざ部活が始まるとマンガを読みに来るだけになった。

俺も最初マンガ目当てで部室に通った。先輩(なんと部長だった)はいい顔こそしなかったけど怒るようなことはなかった。たまーにアニメの自論を語ってうざがられてる程度だった。
そんなある日のことだった。先輩はいつになくでかいマンガを広げて読んでいた。なんだろうと思って覗き込むと、風の谷のナウシカだった。

48 名無しさん@おーぷん ID:X1s

ああ…ナウシカ…うん…

52 名無しさん@おーぷん GK6

宮崎アニメっすよねー?と俺が言うと、先輩は「こっちが先なんだぞー」と言ってきた。
俺は知らなくてめちゃくちゃ驚いた。
俺「原作ってことっすか?おもしろいんですかそれ」
先輩「考える分には楽しいねー」
俺「読んでいいですか俺も」
先輩「いいよ、そこの棚にある」

本当にでかい漫画だった。しかもいろいろボロボロで年代ものっぽかった。面白くなかったらやめようと思っていた。

先輩「そろそろ帰ろう、部室しめるから」
は?とおもって壁かけの時計をみると6時過ぎだった。俺は2時間近くナウシカを読んでいた。自分でもびっくりした。
いつもの俺ならお菓子か飲み物がないと絶対飽きるところだったから。

54 名無しさん@おーぷん ID:4IV

お前が羨ましい

56 名無しさん@おーぷん GK6

>>54
オタがこういう話できる場所が必要だよな…絶対萌えばっかでアニメ語るより面白い

55 名無しさん@おーぷん GK6

結局次の日にかけて全部読んでしまった。で、先輩が全部読み終わったとこを見計らって話しかけてきた。
すさまじい話だよね。と
俺はうなずいた。なんか言葉にできなかった。

そのまま先輩は語り始めた。ナウシカってちょっと俺らに似てるとこもあるよね、と
先輩「ナウシカ達ってさあ、誰かに勝手に作られて誰かのために勝手に生かされてる訳じゃん」
先輩「勝手に作って勝手に生かしておいて、後でポイするって」
先輩「俺らの親とか先生とかに、そういうもん感じるんだ俺は」

納得できるような気がした。先輩は「まあ反抗期だからこんなこと考えるのかも」と言って笑った。

57 名無しさん@おーぷん ID:X1s

ナウシカ暗すぎて駿が怖くなったわ最初

59 名無しさん@おーぷん GK6

自然と人の共存とか、マンガ読む前はナウシカのテーマなんてそんなもんだろうと思ってた。
でもなんか、違う。人間の醜さとか、それに立ち向かったり受け入れたり逃げたりする人たちの話がナウシカの本当のテーマだと思った。

先輩「じゃあここで部活っぽいこと話すんだけど」
俺「はい」
先輩の話をこんなに聞きたいのは初めてだった。
先輩「ナウシカたちを作ったひと、つまり本当の人間たちってどんな考えだったんだろう?」
俺「汚れた世界を綺麗にさせて自分たちは復活!っていう流れじゃありませんでしたっけ」
先輩「もちろんその線がこの物語のメインなんだけども」
先輩「多分そこに至るまでなにかいろんなこと試してたような気がするんだよねー」

65 名無しさん@おーぷん GK6

先輩「例えばさ、本物の人間たちの残したものって、大きく分けて3系統あるわけよ」
先輩「ひとつは浄化装置としての蟲と腐海、一応ナウシカたちはここに入る」
先輩「もう一つは裁定者の巨神兵」
先輩「もう一つはセラミックと、それを加工する技術」

先輩「これってみんな違う人々が作ったんじゃないかって思うんだ」
俺「そうなんですか?」
先輩「たぶんねー、まず流れとしては、どうしようもなくなった人類を裁定者のてにゆだねようって一派。
もち巨神兵が世界を焼き尽くすなんてことは考えもしなかった。あくまで敵を殺そうとしてたひとたち、いわば軍人」

先輩「それから、蟲と腐海植物とシュワの墓所を作った人たち。これは科学者とか研究者とか」

先輩「それからセラミックを作った人たち。これは多分ずーっと続いてて、そこからさっきの二つが分かれたんだと思うんだけど」
先輩「セラミック派はどうしようもなくなった地球を捨てて宇宙を目指した。」

68 名無しさん@おーぷん GK6

俺「あーあのセラミック切り出してた船って」
先輩「たぶん宇宙に脱出した人たちの宇宙船。どっかで事が終わるまでやりすごそうと思ってどっか行ってて、戻ってきたら腐海が絶賛浄化中、毒に耐えられなくてアウト」
俺「救いようないっすねー」
先輩「墓所も潰されて、本物の人間は本当に全滅ってわけ」
俺「なるほどー」
先輩「面白いでしょ?こう考えたらさ」
俺「面白いっす!」

こんな感じで、おれはすっかりこの部活にはまった。以来部活をやってる日は必ず部活に行って部長と話す。
それから部長の、一応ちゃんと部活やってますよっていう書き物をちょっと手伝ったりする。
(アニメに関する考察とか。文化祭で文化部の作品の隅っこに入れてもらう。そうすることで部活を存続させてもらってるらしい)
まあこんなかんじで、変わり者だけど熱心な先輩のおかげで、アニメもマンガもぐっと楽しめるようになってきてる。

以上こんなとこ、終わりだけど質問とかあれば受け付けるゾイ

69 名無しさん@おーぷん ID:gWO

違う!命は闇の中のまたたく光だ!
ってセリフが好き

71 名無しさん@おーぷん GK6

>>69
先輩もあのセリフ大好きらしい、なんか勇気づけられるよな

72 名無しさん@おーぷん ID:gWO

>>71
あのセリフのためにあるような漫画だと思う

73 名無しさん@おーぷん ID:8zQ

変わり者というかTHE本来のオタみたいな人だなその人
こういう考察する奴はどんどん増えるべきだな
ブヒブヒ言う萌え豚が増えすぎた

元スレ(おーぷん2ちゃんねる): http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1437327931/
アニオタの先輩がすごい奴かもしれない

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コメント

考察好きの奴らは尊敬するわ
何だこれどういう意味?って思ったアニメの考察をググると、やれ聖書がどうだとかやれ何々神話がどうだとか、日本の言い伝えでどうだとか
ちょっとした背景の絵や意味なさげなワンカットですら、由来や揶揄を見付けてたりする

研究家で飯を食うのは難しいね。東浩紀みたいに中途半端な知識の人でも
アニメ評論やってる詐欺みたいな分野だし。
業界経験者としては知識において現場でやってる人間にはかなわない。
本当にいろんな情報が入ってくるからね。でも一般には流れない。

口が上手ければ岡田敏夫みたいになれるかも

こういう人の話って話し方上手いと本気でほーっ!マジか!ってなるから好き

好き、っていうとにわか、と言われそうなものの名前を出しても
批判せずに語ってくれるとこいいね

※4
何その岡田斗司夫っと鈴木敏夫を混ぜ合わせた
詐称話術のスペシャリストみたいな名前

漫画に限らず昔のオタクってこんなだったな
なつかし
意見交換がオタクの本業だったよ

高校の時の先輩がやっぱ凄い人だった。
かなり方向性は違うけど。
オタで変わり者だけど成績優秀、英語ぺらぺら、PCでロボットアームでものを掴むプログラム作って発表してた人。
頭の回転は速くて回転の遅い俺が話についていけなくなると自然と解説入れたり、簡単なたとえ話を入れたりその背景を入れたりして話してくれてた。
ガンダムとかが大好きで将来技術者として有人の二足歩行型ロボットを実用化させるくらいのものを作りたい!って熱意だけで成績上げて、PC勉強して、ボストンだかロサンゼルスだかの大学受けるって意気込んでいた。
結局実家がお金なくて国立大学行ったけど。
会話の内容はロボットの機械的な内容は無くて話しやすい人だった。

まさに漫画アニメ「研究会」だな
けっこう面白そう

先輩も話せる後輩来てうれしいでしょう。次の年代につなぎつけれたし。
最初の雰囲気から言って、あんまり期待して無い風だし。
先輩の先輩に面白い人がいたか聞いたら面白そうだ。(話上二人の部活みたいだし、幽霊部員はいるようだけど。後輩が来るまで一人のみって考えづらいし。)

今時めずらしい正統派オタクにあったな
それに作品を考察する視点も面白いな
キリト達やゲーム世界について考察する人は山ほどいるが
ラフコフのメンバーについて考察する人はあんまり居ないだろう

エヴァとかリアルタイムで見てたらどうなったんだ

あぁ〜懐かしいな
俺の漫画研究部そのままじゃねぇかw

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